労災保険の概要
労災保険は、業務上や通勤上(労働者が家と会社を合理的な経路・手段で
往復した場合)における労働者の病気、ケガ、障害、死亡などに対して
給付がおこなわれる保険です。
業務災害 ・・・業務上における病気、ケガ、障害、死亡など
複数業務要因災害・・・2以上の会社の業務が原因でおこった
病気、ケガ、障害、死亡など
通勤災害 ・・・通勤中における病気、ケガ、障害、死亡など
通勤の途中で寄り道をした場合は、正規のルートに戻ったとしても
通勤と認められません。ただし、日常生活を送るうえで必要な
寄り道については、正規なルートに戻ったあとは
通勤と認められます。
会社から家に帰る途中にパチンコ屋に寄った。 ⇒ 通勤と認められない。
夕食の買い物のためにスーパーに寄った。 ⇒ 通勤と認められる。
対象者
すべての労働者
☆アルバイト、パートタイマー、日雇い労働者、外国人労働者などを含む。
☆経営者である社長や役員は含まない。
保険料
☆労働者が会社は強制加入。
☆保険料は全額事業主が負担する。
☆事業の内容ごとに保険料率が決められている。
工事現場で働く人と事務所で働く人では、事故にあう確率は
工事現場で働く人の方が高いですよね?
事業内容によって保険料率が決められるのは、そういう事です。
給付内容
☆療養(補償)給付
・療養に対して全額支給される(一部負担なし)。
・労災病院や指定医療機関などで治療などを受けられる(現物給付)。
健康保険では3割自己負担ですが、労災は事業主のための保険
なので全額支給されます。ですので、
労災の場合は病院で健康保険証を出してはいけません!
☆休業(補償)給付
・労働者が病気などで休業した場合、通算して休業4日目から1日につき
給付基礎日額の60%相当額が支給される。
・休業特別支給金として給付基礎日額の20%相当が上乗せ支給される。
健康保険の傷病手当金だと、2/3(約66%)が支給されるので
60%相当の労災保険のほうが支給額が低いように感じますが、
休業特別支給金としての20%がそこに上乗せされるので
実質は80%の支給になります。
☆傷病(補償)年金
・労働者が業務上の病気やケガにより療養し、療養開始後の1年6か月経過
しても治っていない場合、傷病等級1級から3級に該当する場合に、
休業(補償)給付に代わって支給される。
健康保険の傷病手当金では、1年6か月まで給付されますが、
労災保険では、1年6か月経過しても治っていない場合、
給付 ⇒ 年金という言葉に変わり、支給され続けます。
特別加入制度
社長や役員、自営業などは、労働者でないので労災保険の対象となりませんが、
一定の場合には労災保険に任意加入できます。これが特別加入制度です。
労災保険の適用を受けない中小事業主や労働者としての側面が
強い個人タクシー業者や大工さんなど(ひとり親方さんなど)は、
労災保険に特別加入できる制度です。
(まとめ)健康保険と労災保険の比較
労災保険は健康保険と比較して覚えるのがポイントですね。
上記の比較表で確認しておくといいと思います。
コメント